神社仏閣パワースポットで神さまとコンタクトしてきました/桜井識子

 

神社仏閣 パワースポットで神さまとコンタクトしてきました (ひっそりとスピリチュアルしていますPart2)

神社仏閣 パワースポットで神さまとコンタクトしてきました (ひっそりとスピリチュアルしていますPart2)

 

 先日高野山に行った際に不思議なことがあって、ネットで検索しているうちに桜井識子さんのブログに出会った。私はもともと何故か不思議なことが多いタイプだと思う。

1.神社で白蛇に会うことがある

2.違う占い師に「家に神棚があります?(ないけど)」と聞かれ、神様・仏様と関連が深いと言われる

3.異常なぐらい晴れ女

4.思いつきでお墓参りに行くと、祖父等の命日であることが多い(忘れるなよ、という話ですが…)呼ばれたな、と思う時がある

等など。。

 

識子さんのブログがなかなか面白く、今まで起きた自分の不思議なことに合点が行き、ぜひ書籍も読んでみたいと思って手にとった。ブログだけでも十分書かれていることが多く、お腹いっぱいになれる。

 

ameblo.jp

関西の寺院を中心に紹介している。なかには、それは勉強不足…失礼では…?と思ってしまうこともあるが、「こう捉える人もいるのねー」と大らかに考えられる人に向いた1冊。よくあるスピリチュアル本と違って、各神社での経験や感想を背伸びせずに書いているところに好感を持つ人も多いと思う。ブログに興味を持った人におすすめの1冊。半日もあれば、十分読み切ることが出来るボリュームなのもありがたい。

 

今まで神社で正面に白蛇がいたのは、眷属が迎えに来てくれていたのか~とか、雨の予報なのに参拝中は降らなくて屋内に入ってから豪雨というのも、その一種だったのか、と。

 

そして、あらゆる神社に行って回らなくてもいい、というのも勉強になった。自分に向く向かない神社もあり、お稲荷様は一度縁をもらったら今後一切行かないというのは許されない、伏見稲荷神社にお詫びに行くというのも収穫だった。今まで知らず知らずのうちにお稲荷様に拝んだこともあり、どこに縁があるか分からないので、ちょっと怖くなったりも…(障りがなければ大丈夫なそうだけど)。

 

しかし、今まで知らない状態で引っ越し先の氏神様に挨拶に行ったときに「このお稲荷さんの参拝は……また今度でいいか」と参拝を遠慮したりとか、地元のお地蔵さんを見つけて挨拶しておこうかな、と近づいてゾクッとなったり、あの感覚は偽物ではないのか、と知ることが出来て少し安心した。自分の感覚を大切に生きていったらいいんだ、と思えた1冊。

 

各神社の話がメインなので、関西に住む人や観光で来る人におすすめ。

関東がメインになった本もあるので、興味のある関東住まいの人はそちらを見ることをすすめます。

 

目次(購入前に自分が知りたかったのでメモ)

 

第1章★ひっそりとパワースポット

源九郎稲荷神社義経ゆけりのお稲荷さんと個性ある眷属たち~

伊弉諾神宮~夫婦仲・人間関係を円満にするパワーをもらえる神社~

堅石大明神~霊力が強大な海ヘビの神様~

 

第2章 ★奈良の神仏

石上神社~神話の王と神話のニワトリ~

箸墓古墳~古代巫女が語る女性の神聖さの秘密~

ホケノ山古墳~風の場所のもう1人の巫女~

檜原神社~元伊勢と言われるパワースポット~

大神神社~神様との会話とは~

 

第3章 ★神仏の島 宮島

大聖院~居心地の良い空間と必勝祈願のお不動さん~

空海さんと最澄さん~空海さんと最澄さんという仏様との出会い~

空海さんとの会話1~人生とは低い波動の感情をコントロールすること~

空海さんとの会話2~空海さんとの仏様の素晴らしさ~

宮島 弥山~太陽のパワースポットと消えずの霊火~

 

第4章 ★強力なパワースポット

椿大神社松下幸之助さんが通った神社・縁結びの仕組みとは~

御厨人窟室戸岬~神聖な修行場と海のパワースポット~

金刀比羅宮~人を想うことの大切さと黄金色のお守り~

橋立明神(天橋立神社)~龍神様に願うコツ~(サッと叶う願いがいい)

大頭神社狛犬が強く、滝の効力がすごい神社~

 

第5章 ★お遍路とは

太龍寺空海さんと山岳系神様、同時に会える貴重な場所~

神峯寺岩崎弥太郎さんの母が願をかけた観音様~

四国での空海さん~同行二人は本当だった~

善通寺空海さんが浄化した清浄な土地にいる薬師如来様~

 

第6章 ★元伊勢

元伊勢 宮津市龍神社と真名井神社

元伊勢 福知山市皇大神社豊受大神社、伊勢神宮とのつながり~

天岩戸神社と日室ヶ獄~意外なご祭神~

 

第7章 ★神在月出雲大社

日御碕神社~龍蛇神と境内のお稲荷さん~

神在月出雲大社その1~集まった神々とその詳細~

その2~パワーがもらえる八雲の滝~

その3~神在祭の出雲はすごい~

その4~神在祭での参拝の仕方~

その5~出雲大社の神様のお姿~

 

第8章 ★伊勢神宮

伊勢神宮内宮~神様に受け入れてもらいやすくする方法~(先に守護霊に挨拶を頼む

伊勢神宮外宮とその他の神社~メシ炊きではない~

 

第9章 ★心癒されるお寺

観心寺~波動の高いエリアと掘り出し物の霊宝館~

慶雲寺~お夏・清十郎の愛の波動と理想の供養の仕方~

 

第10章 ★神仏と宗教

信仰とは~信仰に浮気はない~

従妹が教えてくれたこと~その人の生前の宗教観を知る大切さ~

スピリチュアルという分野~悩んだ時は自分の直感~

 

第11章 ★神棚を持つ

神棚とは~神棚を持つメリット~

設置する時の注意点~棚・お社・方角など~

神棚の付属品~雲・しめ縄・神具~

おふだと護符の違い~おふだを大事にすることはご縁をいただくこと~

おふだの取り扱い方~入っていただく順番と位置・実際に鎮座されることもある~

お供えもの~毎月1日15日はお供えをする・4月10月は少し豪華に~

失礼はしない~穢れについて~

神棚あれこれ~扉と塩の使い方~

 

第12章 ★人生をよりよくするために

神様から聞いた柏手の打ち方~二拍手ではない私の柏手~

見えない世界から身を守る~波動をあげて低級霊をはじく~

縁起物の扱い方~神社で購入したものとその他の縁起物~

初日の出~拝むとラッキーな一年に~

数字を引き寄せ、幸運を引き寄せる~ゲーム感覚で引き寄せてみる~

ダークサイドスキル/木村尚敬

 

ダークサイド・スキル 本当に戦えるリーダーになる7つの裏技

ダークサイド・スキル 本当に戦えるリーダーになる7つの裏技

 

本作はブライトサイドスキルを①論理的思考、②財務会計知識・スキル、③プレゼンテーションスキル、④資料作成スキルとし、ダークサイドスキルを①人や組織に影響を当て、動かす力、②空気を支配する力、③人を見極める力、④厳しい意思決定を断行できる力と位置付けている。

 

正直な話、1000円以上も出して得るものはなかった。

7つのスキルは

1.思うように上司を操れ

2.KYな奴を優先しろ

3.「使える奴」を手なずけろ

4.堂々と嫌われろ(自分の中の「下世話な欲望」を知る)

5.煩悩に溺れず、欲に溺れろ

6.踏み絵から逃げるな

7.部下に使われて、使いこなせ

 

良品計画の社長松井忠三さんのお話があったりするのは興味深かったが、わざわざ買ってまで得る知識ではないように思う。

言行一致することや、親しみやすさと敬意は両立しない、といった部分は勉強になった。今後自分が上司になるうえで、ドンと構えることは大事だとおぼろげながら思っていたが、こういうところで(言行一致)部下は見ているのかとハッキリと分かったことは収穫だと思う。

 

通常働いていればおぼろげながら分かることが明文化されている1冊。しかし、上司がこれを読んで勉強になった、と思うのであれば非常に困る。根回しも含め、本書に記載された内容は最低限踏まえておかなければいけないスキルのように思う。

人魚の眠る家/東野圭吾

 

人魚の眠る家

人魚の眠る家

 

 東野圭吾の社会派小説である。

答えてください。
娘を殺したのは 私でしょうか。
愛する人を待つ、すべての人へ。-
帯より

娘の瑞穂は幼くして脳死状態となってしまう。
愛する娘が“死”んだのか、受け入れられない母を中心に描いた作品。

そもそも目の前で人工呼吸器をつけているだけで心臓が動いている娘を“死んでいる”と受け入れる方に無理がある。本作は母親の苦悩や父親、周囲の人びとの苦悩を描きながら、訴えかけてくる「あなたはこの子の死を受け入れられるのか」。

脳死はあくまでも社会が定義した“死”だ。
心停止のように置いておくと全体が細胞が壊死するようなものではない。ただ脳が死んでいる“らしい”と伝えられるが、目の前にはチューブに繋がれて胸が上下する愛する人がいるのだ。どうして死を受け入れられよう。

日本は、脳死から先の処置を本人の意思や遺族の意思に委ねる。

「非常にわかりにくいルールではあります」進藤がいった。「世界でも特殊な法律です。他の多くの国では、脳死を人の死だと認めています。したがって脳死していると確認された段階で、たとえ心臓が動いていたとしても、すべての治療は打ち切られます。延命措置が施されるのは、臓器提供を表明した場合のみです。ところが我が国の場合、まだそこまで国民の理解が得られていないということもあり、臓器提供に承諾しない場合は、心臓死をもって死とするとされているのです。極端な言い方をすれば、二つの死を選べるということになります。最初に権利という言葉を使いましたが、お嬢さんをどのような形で送り出すか、心臓死か脳死か、それを選ぶ権利があるという意味です」
 医師の説明に、ようやく事情が呑み込めたのか、薫子の肩からふっと力が抜けたのがわかった。彼女は和昌のほうを向いた。
「あなた、どう思う?」(P.42、43)

苦しむ家族を書く一方で、臓器提供を待つ人たちにも東野圭吾は焦点を当てる。どちらの立場にも寄り添いながら、現代の苦しみをこれでもかと突き付けてくる。

果たして“脳死”とは一体何なのか。
脳死”と推定された人の家族は、どうするべきか、また国はどうアプローチしていくべきか、まだまだ大きな課題を抱えた問題であると考えさせられた。

鳥に単は似合わない/阿部智里

 

烏に単は似合わない? 八咫烏シリーズ 1 (文春文庫)

烏に単は似合わない? 八咫烏シリーズ 1 (文春文庫)

 

「藤波さま!」
「ほっときな、あせびの君。おこちゃまの短期だ。あれで内親王とは、笑わせる」
 どうにも気まずくて、あせびは非難の意味をこめて浜木綿を見た。それをどう解釈したのか、浜木綿は悠然と欄干にもたれかかった。(P.42)

 十二国記を彷彿とさせる世界観である。
 宗家の金鳥(きんう)を中心に4つの家があり、宗家に入内するための女子4名を主人公として物語は進んでいく。

 そうした家の人々は、宮鳥(みやがらす)と呼ばれ、格下の人々は山鳥(やまがらす)と呼ばれる。山鳥は鳥になることができ、宮鳥と区別されている。

 十二国記ほど深淵ではないが、和風ファンタジーとすれば面白い。また、この作品が面白いところは単なるファンタジーではなくて、数々の事件が起きるミステリーとなっているところだ。その謎は最後に面白い形で回収されていく。

 ファンタジーとしては物足りないが、興味深い世界観とミステリーをあわせもつエンターテイメント小説と思えば、非常に好感度のもてる面白い作品だった。

 また本作を書き上げたときの作者の年齢が20歳だったということも面白い。言葉遣いの随所に若さや甘さを感じるだけに、今後の作品にぜひ期待したい。正直まだ浅短作品で、何度も読みたくなる作品とは言い難いが、読ませる力のある作品であった。

 

忍びの国/和田竜

忍びの国 (新潮文庫)

忍びの国 (新潮文庫)

 

舞台は戦国の伊賀。

腕利きの伊賀忍者で変わった女房をもつ無門。伊賀らしくない心情を持ち合わせて“しまった”平兵衛。個性が光る人物が、それぞれ一生懸命に生きた結果として不思議なドラマが起こる。本作は、人物がそれぞれ作者に都合よく動かされているという感覚を受けることなく楽しむことができた。

伊賀者の特徴を作者は下記のとおり描く。

(前略)そしてなによりも殺戮を好むところ、もっとも伊賀忍者らしい男といえた。一方で、殺戮を好むわりに下人を相手にしょっちゅう冗談を飛ばすような気のいい男でもあった。

 (詰まるところ、根が単純なのだ)

 平兵衛の見るところ、次郎兵衛のような気質は多くの伊賀物に共通するものだった。享楽的で自己の欲望に正直なのである。

 かといって平兵衛は次郎兵衛を嫌ってはいない。むしろこの愚かな弟を愛してさえいた。(P.46,47)

伊賀者独特の冷徹さとあっけらかんとした人柄や、織田信長の息子信雄の葛藤など、人物像がしっかりしていて、時代考証もしっかりされているように思うが、読みやすい文体と迫力ある戦闘の光景から歴史小説のなかでもファンタジーに近い印象を受けた本だった。

 

戦国時代の伊賀に、そんな物語があったのかもしれない。そう心のどこかで思うエンターテイメント性の高い歴史小説だった。

 ――ふん。

 笑ったのは大膳の方である。

「無門よ。わしをそこらの葉武者と間違えるな」

 言うなり、めきりと音が鳴るほど槍の柄を握り締めた。次いで怒号を放つや夫雨滴な膂力(りょりょく)で槍の穂先を無門ごと持ち上げた。

「なに」

 無門は浮き上がっていく自らの身体に驚愕した。(P.311)

 

女子大生会計士の事件簿/山田真哉

 

さおだけ屋はなぜ潰れないのか??身近な疑問からはじめる会計学? (光文社新書)の作者が書いたライトノベル小説。女子大生が公認会計士に勤めているという設定で、主人公はその女子大生についていくちょっと頼りない男性新卒社員。公認会計士って何の仕事しているんだろう?という人にとって参考になる1冊。

「銀行に残高を発送するのは、会社口座の実在性・正確性を確かめるという目的が主だけど、網羅性という目的もあるのよ」

「網羅性??」

「つまり、会社が持っている口座を全て調べ上げるという意味よ。もしかしたら、私たちが知らない口座もあるかもしれないじゃない。だから<口座番号>をあえて書かずに送って、銀行にある全ての口座を洗い出してもらうのよ」

 萌さんはそう言うと、会議室から出て行こうとした。

公認会計士の権限というのは、どれぐらいあるのだろうと思っており、銀行への残高照会もどのようにしていたのか興味があっただけに勉強になった。

「―私はそんな低次元の話をしているのではない。もし修正した決算を発表したらどうなるかぐらい君にもわかるだろう」

「今回の決算発表は当期だけの話では済まなくて、これまでの財務諸表も<嘘だった>と修正しなきゃならないから、新聞とかにも大々的に取り上げられるでしょうね。そうなれば市場の評価はガタ落ち、株価は急落、信用は失墜、下手をすれば倒産するかもしれないわね」(P.181) 

 公認会計士が社会でどのような役割を果たして、具体的にどういう仕事をしているのか知るのに、非常に有益な1冊だった。文学的価値は残念ながら無いので、忘れてしまったからと再読することはあるかもしれないが、手元に置いておくほどではない。あくまで公認会計士というものを知るための1冊として読みたい。

東京奇譚集/村上春樹

 

東京奇譚集 (新潮文庫)

東京奇譚集 (新潮文庫)

 

 「偶然の旅人」

東京多摩川に住むゲイのピアノ調律師が小柄な女性と偶然に出会い、その出会いが調律師に微かな光を見せる。

「そう」と彼はプジョーの計器パネルに向かって言った。「ひとつの経験則として」

「かたちのあるものと、かたちのないものと、どちらかを選ばなくちゃならないとしたら、かたちのないものを選べ」と彼女はくり返した。

「そのとおり」

 彼女はひとしきり考えた。「そう言われても、今の私にはよくわからない。いったい何にかたてがあって、何にかたちがないのか」

「そうかもしれない。でもそれはたぶん、どこかで選ばなくちゃならんあいことなんです」(P.34,35)

 

「ハナレイ・ベイ」

19歳の息子をハナレイ湾(ベイ)でなくしたピアニストは、毎年秋の終わりにハナレイ湾に滞在する。

「女の子とうまくやる方法は3つしかない。ひとつ、相手の話を黙って聞いてやること。ふたつ、着ている洋服をほめること。3つ、できるだけおいしいものを食べさせること。簡単でしょ。それだけやって駄目なら、とりあえずあきらめた方法がいい」

「それって、すげえ現実的でわかりやすいですね。手帳に書き留めといていいですか?」(P.92)

 

「どこであれそれが見つかりそうな場所」

9月3日の日曜日に24階と26階を結ぶ階段の途中で、痕跡も残さず、消えてしまった男の捜索を依頼された男の話。

 

「日々移動する腎臓のかたちをした石」

小説家の男は、職業不明の聡明な女性と知り合う。

その石は外部からやってきた物体ではないのだろう―物語を書き進めているうちに、淳平にはそれがわかってくる。ポイントは彼女自身の内部にある何かなのだ。彼女の中のその何かが、腎臓のかたちをした黒い石を活性化している。そしてそれは彼女に、何かしらの具体的行動をとることを求めている。そのための信号を送り続けている。夜ごとの移動というかたちをとって。(P.169)

 

品川猿

ときどき自分の名前を思い出せなくなった女性は、カウンセリングを受ける。名前だけ思い出すことができなくなったのは、猿が原因だった。

「このお猿は品川区の下水道の中に潜伏していたのよ」と坂木哲子は言った。(P.232) 

 

都市での不可思議な世界を集めた5つの物語。短編集ながら春樹ワールドを愉しめる。短編集だからこそ『気楽に』春樹の世界を愉しみたいときに薦めたい1冊。